〜拡がれSOHO・はじめようコミュニティビジネス〜
葉っぱで年商2億5千万円!
あの仕掛け人が語る! ビジネスチャンスの糸口
人と人が繋がることで、さらにチャンスが拡がり強くなる“SOHO事業”
地域と人がつながることで、地域の課題を解決してまちを元気にする“コミュニティビジネス”
この2つの「地域に根ざしたビジネス」がコラボする初のイベント『さがみはらSOHO&コミュニティビジネス2007』を開催いたしました。
基調講演テーマ:「年商2億5千万円!おばあちゃんたちの葉っぱビジネス」
身近に生えている「葉っぱ」を商品にして、過疎化・高齢化で元気が無くなった徳島県にある山間の小さな町『上勝町』を活性化させた仕掛け人(株)いろどり 取締役副社長 横石知二氏よりその秘訣をお聞きしました。
講師:(株)いろどり 取締役副社長 横石 知二氏
(以下、横石氏の講話より抜粋)
“地域の資源を活かしてどうやっていくか”ということが一番の課題だと思う。私自身は地域づくりをしようとか、まちづくりをしようと思ったことは一度もない。
人は自分の存在価値があることが何よりも嬉しい
あの人がいてよかったなぁと思ってもらえる、自分の存在感、自分が頼りにされることが一番良かった点だと思う。
上勝町は人口の約半分が高齢者である。 寝たきりはほとんどいない。たったの2人。老人ホームも要らなくなった。保護と福祉は違う。保護をやると地域は駄目になると言ってきた。一つの方針を持って、うちの町はこうやっていくんだと頑張ることが大切である。
SOHOやコミュニティビジネスのように、地域の中で一人ひとりが自分の存在感を持って働ける環境を作ることが、本当の福祉であり、教育と環境にものすごく結びついていくと思う。どんどん地域の中で活躍できる場面を作っていけば医療費がかからなくなる。
そして一番大切なのは、地域の燃料は地域にあるもので考えて、何とかしようということをしている。町内の温泉には間伐材を活用している。地域の資源が活かせる。環境にも良い。木を持ってくると地域通貨券を出して町内で買い物ができるようにする。地域通貨を回すことによって町内も商店も活けるようにする。
そこにあるもの(ひと・もの・環境)をどうやって活かしていくか、上手に活かしていく出番を作っていくことに27年間取り組んできたことがとても良かったと思う。
想いを持った若い力で渦を巻く
上勝が元気になった一つの種明かしには、移住者の活用にある。地元に関係ない、よそから来て、ここに住む若い女性がものすごく増えてきた。地元にはない感覚を持っており、「東京や大阪では自分の出番はなかったけれど上勝にいけば自分の出番がある。」と考える人が多い。イベントや稲刈りや田植えなどを一生懸命やる。
地域のことにかかわりたくないと思うか、かかわりたいと思うのか、この気持ちの差がたった1人でも2人でも地域に与える影響が非常に大きい。よそ者が入ってきて地域の中でコミュニティを作り、そして地域の活動の渦を広げていったことが本当に良かったと思っている。自分はその第1号だった。
どうやって“彩いろどり”を発見?
田舎の一番悪いことは「暇」ということ。人間にとって暇が一番悪い。「これがしたい」と思うものを作らなくてはと思っていた。
大阪のすし屋で、女性客が料理に添えられていたもみじの葉っぱを大切そうにハンカチに包む姿を見たときに「これは凄いことだ!」と思った。
環境の違いは、凄く大事なことだと気がついた。地域というものはこんな違うんだから、ここに「何か凄く面白いことがあるな」とこの光景を見たときに初めて気がついた。山に生えている葉っぱを料亭に卸したら商売としてうまくいくのではないかと思った。
現場に大きなヒントがあった
はじめはぜんぜん売れなかった。何で売れないのかまったくわからなかった。使われている現場を見なくてはならないと思い、料亭に行ってみたが門前払いだった。
客として行ったら、大事にしてくれた。現場がわからなくてこの商売がうまくいくわけがないと思った。北海道から九州までパンフレットを持って何千件とお客さんとなって泊り込んで店を回った。家族の協力を得て、1円も家に入れることができなかった商売だった。また、体の調子も悪くなった。でも、どうしてもやりたかった。これを事業として成功させるんだ。なんとしてやってみせるという夢をしっかりと自分なりに追いかけてやっている。
次への行動・・“自分ところ”の価値を知ること
上勝の人たちは今、みんな生き生きと生活している。どんどん関心も高くなっていき、みんな良い顔をして仕事をしている。月に60万、70万、稼いでいる。コミュニティビジネスだからできる、小さいからできる、田舎だからできる商売だということ。
種明かすと、軽い、きれい、根気がいるという高齢者にとっては最適な仕事。まちが商品。都会とは違う。都会にないものはすべて商品としての価値となりうる。
今、上勝が変わったのは、自分の地域に誇りを持てるようになり、自分の地域で採れるものが価値があるものだと、わかるようになった。そして今の時代に対応できるビジネスの仕方を築いてこれたからだと思う。
ビジネスで何が大切か。それは「仕組み」
日本で上勝ほどの仕組みを持っているところはない。自分ではうまくいったなと思っている。町の防災無線を活用した。コンビニのシステムのとおりに自分の山の中に作ればいいと思った。そして、高齢者専用のパソコンを開発した。住民の中の何を求めているかということの上にシステムを作るという形が必要なんだなと気がついた。
人間が元気が出るには、出番を与えてあげることと、評価をしてあげること。これが一番大切。「やった!」という実感と自信を持たせる。ビジネスでも空振りをさせない。ヒットを続けていくことを作っている。コミュニティビジネスではホームランは無理だが、ヒットを作る。
商売は何かの要因がなければ動かない。天候や行事などを先読みすることができる情報を発信している。空振りをしないように情報を与えてあげている。
仕組みをつくり、それによって人の意識を変える
与えられている環境から、仕組みで意識を変えることができるようになった。そして、自分で何でも考える習慣へと変えていった。ステップであげていかなくてはならない。上勝がうまくいったのは、生活の習慣や考え方を変えることができたから。
地域の中では組織の人間(リーダー)でなくてプロデューサーの仕事が必要
SOHOやコミュニティビジネス一人ひとりの力を付けていって、全体を上げていくという構造にならなくてはならない。リーダーだけが楽しんでいてはいけない。地域全体を上げていく形にならなくてはならない。存在意識をしっかりと持たなくてはならない。それには頭を鍛えるトレーニングが必要。80歳のおばあちゃんが「時間と情報が自分のものになったら、都会よりも田舎の方がよっぽど面白い商売ができるよ。」と言ったことが凄く良かった。
脳を鍛える訓練が必要
日常生活の中で、脳を活性化させるリズムが生活の習慣の中でどれほど回っているか。そのリズムをつくることにより人間が伸びていく。磨きがかかるものだということがわかる。自分がいろんな体験をしていると、人が言っていることが理解できる。生活習慣の中に、自分の脳の磨きをかける習慣をできるかどうか。アイディア力がカギとなる。
競争心を持って事業をやることが大切
自分の仕事と思って夢中になって一生懸命にやると事業が伸びる。
事業を展開するにあたっては「負けたらいかん」という気持ちがなければ事業は伸びない。
結果に対してやることは絶対に良くない。的を得ていない。何をしたら良いかが見えれば、実質効果につながることをしっかりと理解する。
「価値」を売る 価値は地域の魅力 地域の魅力が価値である
場面・価値・情報・仕組み この4つをどのように組み合わせるか。
場面をちょっと変えてあげるとキラッと輝く。おばあちゃんの長年の知識・経験がこのビジネスの最大のポイント。どういうところに何を植えたらいいかをすべて熟知している。
人それぞれの良いところがある。上勝には上勝の良いところ、相模原には相模原のいいところがあるはず。それをどうやってどんな場面に持っていけば一番価値が上がるかということをしっかりと考える。
商品を売るだけではない
SOHOやコミュニティビジネスで、自分のものだけを売りたいというだけの観点でやっているとうまくいかない。それをよく考えることが大事。時代の変化、環境の変化に対して、どううまく組み合わせてきたかによって時代の中にヒットさせることができる。
そこにあるものをどうやって活かすか、を徹底して考えることが大事。
流行っている店に行って、どうして流行っているかを自分の目で確かめに行く。ある店では、メニューがない。どんなものがでるのだろうというワクワクするお客さんの期待感そのものが「メニュー」として出されている。その大将は「今は素材より、“そのものの物語を語れる場面を作れる力”が職人になかったら駄目だ。職人に語れる力がなかったら駄目なんだ。」と言う。それが昔と今は違うところである。常にアンテナを張り巡らしていること。
自信を持つ
「現場の人に応じた形で、その立場の人を理解して、具体的にわかりやすく説明してあげなければならない。」そこを勘違いしている人が多い。
自分の地域、自分のやる商売に自信と切り札がなかったら人に感動を与えることができない。どんな小さなことでも“ここだけは”という誇りと自信を持つこと。そこから地域ブランドにつながっていく。
自分のSOHO、自分のコミュニティビジネスの中に自分としてのしっかりとした誇りを持って、“これだけは自分がしっかり伝えたいとこだ”というものを常に持っていて欲しいと思う。
上手に場を読み語れる、場を読む力を身につける。しっかりと渦を巻く仕掛けが必要。
今は何もしなかったら下りのエスカレーター 情報発信力が決めて
強いものを持っていて欠点を消していき、攻め込んでいくという姿勢が無ければ絶対に上に上がっていけることは無い。しっかりと渦を巻いて仕掛けをしていくことが大事。町や地域の地盤をしっかりとしていく。地域の自慢ができて、自信ができて、行動へ移してしていく。そして、情報発信。情報によって地域ブランドを高くする。これが大事。自分が発信しなければ情報も入ってこない。一回外に出して価値を付けて内間に戻す。情報をどんどん外に出していって自分のものに作り上げる。
想いと価値感の結集 主役だけでなく一体感
経営者の想いと価値観の一体感。コミュニティビジネスは、まちの中のみんなの想いが一つになっていい場面ができ、いい仕事ができ、いい商売ができる。自分ひとりでやってはいけない。一人ひとりを育てること。ブランドを作ること。知恵を生んでいくこと。一人ひとりを大切にすること。“人は誰でも主役になれる。”
夢の種を自分で今、蒔く・・・これが凄く大切だと思う
「やってみるって大事やな。」幸せというのは一つ踏み出てみる。地域の中で、ここで無かったらできない仕事を作る。自分の存在感があって、みんなに慕われるような形があったらいいんじゃないかと思う。頼りにされるということは人間にとって大切なこと。
ひとりひとりがこの地域の中で、誇りに思えるようにやれることが大事じゃないかと思う。皆さんが一つ前に飛び出せるように期待している。
トークセッション:テーマ:「このまちでつかむビジネスチャンス!」
トークセッション
テーマ:「このまちでつかむビジネスチャンス!」
実際に地域で意識改革をすすめ、ビジネスを成功へと導き、地域を大きく活性化させている(株)いろどり横石氏に加え、SOHOスクエア応援団で中小企業診断士の前田雅代氏をゲストに、同じくSOHO応援団・キャリアカウンセラーのえび原恵子氏がコーディネーターとして「このまちでつかむビジネスチャンス!」をテーマに、地域でのビジネス展開への可能性を探るトークセッションが行われました。
ゲスト:
(株)いろどり 取締役副社長 横石 知二氏
プラスキープランニング 代表 前田 雅代氏(SOHOスクエア応援団/中小企業診断士)
コーディネーター:
(有)アベレ 取締役社長 えび原 恵子氏(SOHOスクエア応援団/キャリアカウンセラー)
(以下、トークセッションのキーワードを抜粋)
一番大切なのは自分磨きだ
その人=その商品
すべて人という部分になると思う。そこが大企業とSOHOやコミュニティビジネス
との違いだと思う。
魅力のある人には人が集まってくる
顔見た瞬間に顔にオーラがある人と一緒にやりたい。
地域が荒れ放題。産業が荒れ放題の地域にはそういう人が集まってくる。
リーダーとプロデューサーの違いは映画監督のように、
相手の立場をしっかりと理解すること。
個性の強さを相手をしっかり見て上手に動かす
上手に組み合わせることが以外に大切。
とにかくやると決めたらやる。何があっても諦めないでやる
謙虚というリュックを背負って
一番気にしていたことは謙虚さが大切だということ。
自分のエゴでやっていたら駄目。
交流会と事業活動の紹介
ホールプログラム終了後、来場者の皆さまを2階展示室へとご案内しました。展示コーナーでは、各出展者より1分間程度の活動PRもされ、各ブースとも活発な活動紹介や交流がなされていました。
具体的な活動内容を見たり、ゆっくり説明を聞けたことで、来場者だけでなく出展者同士もより理解し合え、ネットワークが広がったようでした。
今回SOHO会員で出展者の(有)グリーンスタジオ 藤川さんの発案により作成され配布された「展示ブース紹介リーフレット」は好評でした。このように、出展者の中で自発的な動きが見られたイベントでした。
来場者からの声(アンケートより抜粋)
「葉っぱビジネス立上げへの話は感銘した。特にTopDownからプロディースへ、起業とは違い大変勉強になった。今後このようなイベントは大賛成です。ご検討いただき是非開催してください。」 「横石様の人間性・気の力に非常に感動しました。」 「ビジネスのエッセンスが詰まっています。」 「リーダーを卒業して、プロデューサーになるべきの話に目からウロコ。」 「とても共感できる内容でした。」 「聞くは易し行うはむずかしい、強力な指導力が必要。」 「 地域の活性化になる商品のヒントをいただきました。とても良い講演でした。」 「展示コーナーでは、他の人たちも頑張っているということが確認できた。」 「(展示ブース紹介リーフレットは、)説明番号があってわかりやすかった。」 「 はじめての参加で是非続けてほしいと思います。」
出展者からの声(アンケートより抜粋)
「多数の異業種の方々と交流ができたことは大きかった。」 「いろいろな方とお話が出来、アドバイスや情報をいただけた点がとても良かった。」 「来場していたメンバーは皆とてもバイタリティーがあり、自分の活躍に場を探しているように見えました。そのパワーが一定方向に向けば相模原市の産業はもっと活発に稼動する事と思います。」 「CBとSOHOをコラボレーションした事は良かった。」 「視野が広がった事と、仲間がみつかった事。」 「いろいろな活動をしている方から声をかけていただいたり、これから連携が取れそうな方と知り合えたり、人とのつながりが広がりました。これからの活動の励みになりました。ありがとうございました。」 「展示会場スペースが狭く、通路幅が確保できないために窮屈な感じがした。」 「終了後の懇親会の開催(2,000円会費位で、参観者含め)があれば。(反省も含め)」 「さがみはらSOHOの事業者に業務を依頼する企業の参加(マッチング)を目的としたイベントを開催して欲しい。」
イベント当日は強風が吹き荒れる春の嵐の中、たくさんのご参加をいただきましてありがとうございました。
本イベントからビジネスのヒントを得ていただけましたら幸いです。
来場者・出展者の皆さまからいただきましたお声は、今後の事業の改善に役立てたいと思います。
3月11日、合併により新しく名称が変わりました「相模原SOHOスクエア」を今後ともよろしくお願いいたします。