足下を見直す | SOHOコラム

相模原SOHOスクエア

足下を見直す

更新: 2004年09月22日
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Studio K2 河村 久美
2004.9.22

最初は電話だったでしょうか、あるいはメールだったかもしれません。2年前の初夏、突然見知らぬ方から仕事の依頼をいただきました。SOHOスクエアの会員として登録してあった情報を見て連絡しました、と聞いてビックリ。登録したこと自体忘れていました。

ネットを通して、SOHOに仕事を依頼したい人、受けたい人の情報を登録しておくことができるサイトはいくつもあります。私も実際にいくつか登録しています。しかし、残念ながらそれらのところから仕事の依頼をいただいたことはありません。きっと登録の内容にもっとグサッと相手の方の心に突き刺さるような売り込みメッセージが必要なのでしょう。また、どれも全国的なサイトですので、同じような仕事をしている方がたくさん登録していますからね。顔を見ずにその中から仕事をしてくれる人を選び出すほうも大変だと思います。これって抽選に当たるようなものかもしれません。
 
 ただ、こちらからネットで応募した仕事の中には、たとえ抽選?に当たったとしても、一度も直接先方の担当の方に会うことはなく、すべてメールとデータを添付するやりとりだけで済んでしまい、そのまま終了した、というものも普通によくあります。きちんと作業をこなし、きちんとお金も支払われているのですが、何か物足りない感じが残ります。
 
 同じSOHOスクエアの会員の方からいただいた前述の仕事は、その方にお会いするまではかなり不安でした。でも、住んでいるところがわりと近くでしたので、近所でデータの受け渡しをすることができました。また、「特定のソフトが使える」ということで私を選んでいただいたのですが、細かい説明を受けたり、質問したりというその方とのやりとりの中で、そのソフトについて、私がまだ知らなかった使い方を教えていただくことができましたし、逆に私から新たな使い方を提案させていただいたりもしました。お互いによりよい仕事の展開になったのではないかと思います。そして、まさにこれはご近所・地域内であったからこそ成り立った仕事であったと思います。この方とは、その後もさらによい関係で仕事が続いています。
 
 SOHOとして5年半になります。独立した当初、一番気を付けたいと思ったのは「自分勝手な考えにならないようにしよう。自信は必要だが、我が強くなってはいけない」ということでした。近くでそういった人間を見てきたからです。SOHOは、嫌な上司もいないし、自分のペースで仕事を進めることができます。しかし、それはともすると「自分を中心にまわりが動いてくれる」と錯覚してしまう危険性もあります。私も気を付けていたつもりですが、長年やってくると自分では気が付かないところで、やってしまったと後で感じることが時々出てきました。「マズイ!」
 
 それで、時には外の空気も吸う必要があると思い、この秋から週何日か、外で勤務する仕事を始めました。これは、自分のやり方だけがすべてではない、新しいことを積極的に吸収し、自分のこれからの仕事に生かしたい、という思いからでもあります。今、私の中に新鮮な風が入り始めているところです。
 
 私と同じように、家でパソコンをたたきながら一人で仕事されている方はかなり多いと思います。そういう方は特に、自分の仕事の進め方について、時々立ち止まって見直すことをおすすめします。一人でやっているとは言っても、そこには実にたくさんの人が関係して仕事は成り立っています。本当にこのやり方でいいのだろうか? 順調にすすんでいる場合であっても、時には今までのやり方をリセットしてみてもいいかもしれません。自分にできる仕事のやり方・考え方は一つだけではないはずです。ちょっと外に出て、お付き合いのある会社あるいは同業の方とお話ししてみるだけでも、(そのためにもSOHOスクエアがあるのですね!)、何かしら新たな発見が期待できるんじゃないかと思います。
 
 新鮮な気持ちで一から全てを学ぼうとしたとき、吸収できることは予想以上にたくさんあるでしょう。「自分の足下を見つめ直す」これは、今の私のテーマです。自分が働き生活している「地域を見直すこと」であり、「自分を客観的に見てみること」でもあります。顔の見える関係を大切にし、そのネットワークの中にいる自分の役割をもう一度考えてみたいと思っています。
                         環境学習の企画・運営/取材・編集 Studio K2
                                          河村 久美