<ブロードバンド時代におけるコンテンツの向かう先>
ブロードバンド時代における著作物の基本的な考え方は、「自分から発信するメールそのものが自分の著作物」になり、コンテンツの向かう先は「個人から個人へ」、もしくは「少数へのメッセージ」となる。また、「メジャー+α、人とはちょっとだけ違う。その人のためにカスタムされたもの」に多くの人は価値を見出していくだろう、と高城氏は語る。
皆さんの中には、これまで文章表現が苦手だからといって、自らの発信を拒んでいた人もいただろう。しかし、「メールに映像を添付したビデオメールやビデオWEB」といった表現手段の進化に伴い、皆さん全員が「プロのコンテンツ評論家になりうる時代」を生きている。自分の言葉で自らの体験などを伝える「語り部」として発信してみてはいかがだろうか。
恐らく、著名人を招いて話を聴く講演会よりも、もっと身近で活躍している等身大の人の話を聴く方が役に立ち、勇気がわいてくる。と、聴き手の指向は既に変化しているのだから、ぜひ語って欲しい、と思う。
(参考:マイナーという概念の消失 by高城剛氏)
↓「知っている」=>メジャー(一方向)…マスコミを信じない
↓「解かっている」=>マイメジャー(双方向)…読者登場雑誌を信じる
(語り部の変貌)
↓「信じられる」=>「広域の口コミ以上、マスコミ以下のメディア」(評価)
↓ …認知と信憑性の完全分離
→行動!!
<新しい人やモノとどう付き合うかが地域活性化の鍵
~地域ブランディング・デザイン時代~>
90年代後半イギリスの国家ブランディング戦略を事例にあげて話してくれた高城氏。
「顔の見えないネットワーク社会において最も重要なのはブランドであると位置付けた英国。英国ブランドの徹底的調査を実施」、「地域をプロデュースするとは、国際的情報化による『よい地域』と『わるい地域』が明確に分かれる時代に突入した」など…。
今年、相模原市は50周年を迎えた。長引く景気の低迷とグローバル化などの環境変化に伴い、これまでの慣習的な企業誘致等による地域振興施策では対応しきれない厳しい状況下にあるものと考えられる。
高城氏はこうも述べていた。「ハードではなく、その地域で提供される無形のシステムやサービス、新しい人をスカウトし、受入れる体制を整える」ことが大事であると…。また、とかく「目的意識を見失い、悲観的で変化を拒み、新勢力を恐れ、問題が生じても目を背ける。こうした古めかしい感覚が、景気低迷を抜け出せない原因」であるといい、「時代背景を前提に、地域が自信をもって時代を考えることこそ重要であり、地域としてのアイデンティティを新たに見つけだし、明るく進歩的なものに変え、その地域やその地域の人々の自信を取り戻すことがゴールだ。地域をプロデュースする発想が求められている」と、語った。
ところで、神奈川県はSOHOワーカー従事者数が全国NO.1だそうだ。会社が集中している都内に電車や車などで通える距離感が、顔の見える関係を補完するのに適した環境下にあることも影響しているだろう。例えば、SOHOワーカーが暮らしやすい、住みやすい街づくりや、雇用促進などの優遇制度、補償等各種施策整備に着手することで、住環境等も含み、新たに活気あるコミュニティに富んだ魅力ある街づくりにつながってゆく可能性も秘めているかもしれない。
最後に、コミュニティビジネスについてひとこと。数年前、あるシンクタンクの研究員が発表した資料の中に、「全国の互助会費等の¥を集計すると、JRなどの交通インフラ(基幹産業)レベルの収益規模が見込める」といった内容のレポートを見かけたことがある。恐らく中小企業からの税収入が減っている現在、これに代わる小さな経済の積み上げが日本経済を支える、その担い手として期待されるのが、真にコミュニティビジネスといえる時代が、すぐそこまでやってきている感が伺える。<個人のパワーの集合が変える新しい地域づくり>が、これからの時代、注目されることは間違いないだろう。