公益財団法人 相模原市産業振興財団

ビジネスで必ず役立つ! 人のココロを動かす『色』の使い方【南雲 治嘉】

南雲治嘉株式会社ハルメージ 代表取締役

デジタルハリウッド大学大学院 客員教授  南雲治嘉

色を使う現場の変貌

色はかつて「感覚」や「センス」と呼ばれるジャンルに属していました。
時にはこんな声も聞きました。

「自分には色彩センスがないので色選びができない」とか「色彩感覚が悪いからネクタイ一本選ぶのに苦労する」などという声です。
確かに色に関する知識がない人は、色選びは難解なものです。
しかし、センスとか色彩感覚とはほとんど無関係です。
配色のルールさえ知っておけば誰にでも、効果的な配色が可能だからです。
色をセンスの世界に押しやっていたのは、説明のつかない色彩システムでした。
説明ができない部分は感覚やセンスという言葉でぼかしてしまったといえます。
色はそんなにあいまいなものではありません。
もっと科学的なものです。
現在私たちデザイナーが求められているのは説明できる配色です。
また、色彩の機能に対する考え方もこれから大きく変えて行かなければならない時代に突入しました。

これまでの色彩システムとの違い

新しい色彩システムである先端色彩は色と生理との関係から色を捉え、より科学的な根拠によるものです。
デジタルでの制作が中心になってきた配色作業は、絵具の三原色から色光の三原色(これをデジタル色彩と言います)へ移行しなければなりません。
また、例えば色相環とスペクトルには整合性がありませんが、それを基にしたマンセルもPCCSも根拠がありません。
先端色彩では色のイメージ伝達に焦点を置き、配色におけるイメージ表現を目的とした色彩システムを目指しています。
カラーイメージチャートによる配色は、単なる思いつきでなく、相手に的確にイメージをコミュニケーションすることを目的にしています。
これまでの配色との違いは、そのプロセスにあります。
デザイナーはどんな作品でもまず、テーマと同時に表現すべきイメージを決めるところからスタートします。
自分が表現すべきイメージを明確にすることは、ほとんど作品の全てとも言える作業です。

配色におけるルール

色は単一で使用されることがほとんどありません。
一つの色の意味や心理効果をいくら覚えたところでその応用範囲はほとんどないに等しいものです。
それは、必ず背景(ベースカラー)を伴うため、1色での配色効果ではないからです。
デザイナーは常に複数の色を操る配色という作業を行うのです。
複数の色を使い、目的のイメージを表現するには、効果をアップさせるためのルールが20個ほどあります。
ここでは全てのルールを紹介することはスペースの関係でできませんが、代表的なものを紹介いたします。
「隣接する色同士はコントラストを付けなければならない」「背景は黒で逃げるな」「調和はでは印象に残らない」などです。
そのルールには根拠があります。
色もまたコミュニケーションのツールであり、相手にメッセージを伝えるためのものです。
伝わらなければ価値がありません。
Web デザインやグラフィックデザインは相手の感性を刺激し、記憶させることが使命です。
メッセージが届かないのではデザインでの価値がナイも同然です。

これからの配色は

配色は相手を、喜ばせる、感動させる、幸せにする、という3つの目的のために行います。
先端色彩(デジタル色彩)を是非吸収してください。
あなたの仕事に色は不可欠です、より戦略的な色彩をこれからも意識してほしいと思います。

【カラーイメージチャート】

先端色彩で使用するカラーイメージチャートは、一見これまでのものと似ていますが、その成り立ちが全く異なります。
デザインに即応用できる点が特徴になっています。

3月25日から4月3日まで上海の上海音楽学院という大学で色彩の集中講義を行いました。
35名の学生がいました。
この大学は音楽では世界有数の大学です。
日本の谷村新司さんも教授をされています。
なぜここに色彩の講義に、という質問をよく受けます。
これからの音楽はデジタルコンテンツと不即不離の関係にあるとして、マルチメディア学部を増設しました。
そこでの色彩は先端色彩(デジタル色彩)で教育したいとの要請を受け、毎年1年生を担当することになりました。
日本ではデジタルハリウッド大学など数校で実施されていますが、
中国では初めてです。中国の情報の早さと吸収力はすごいものがあります。
これからデジタル色彩が普及すると思いますが、日本は保守的ですので、いまだ旧態依然の「色彩検定」が行われています。
数年たつと、デザインのジャンルでも中国が進出してくるような気がします。
ふっと、日本も頑張らなければと強く思いました。

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