財団法人九州ヒューマンメディア創造センター
主任研究員 (北九州テレワークセンター担当)
荒木幸生 2001.5.11
1.流行りのSOHO
2〜3年前からSOHOが流行現象になっています。
テレワークセンターやSOHO支援センターが全国で10数ヶ所で開設され、
SOHOの団体が結成されたり、専門誌が発行されたり、行政による支援策が
出されたり検討されたりしています。
SOHOは発祥地米国での由縁が誤って伝えられ、言葉が先行したきらいがあり、
5〜6つの意味で語られているようです。ここでは、“IT技術を利用したシステムや
サービスを作成・販売する個人又はグループ”と仮に定義します。
2.SOHOを目指す人達
SOHOを目指すのはどんな人達でしょうか?
圧倒的に多いのが、会社(役所・団体を含む)勤めを辞めた人達でしょう。
辞めた理由・年齢・性別・パソコン習熟度・職種等は様々でしょうが、
心機一転コンピューターを使って、新たに自営で仕事を始めようと言う人達です。
中にはビル・ゲーツや孫正義の様に、ひとやま当てようと言う人も
極々稀には居ることでしょう。
3.会社勤めとの違い
良い点はマスメディアや学者が散々伝えているので、ここでは厳しさと克服すべき
主な課題・問題点を挙げましょう。
*仕事は自分1人でせねばならず責任が重い。替わりが居ないので寝込めない。
*仕事の繁閑が極端になることがある。収入も一定しない。減収を覚悟。
*成果の反応が早く、やりがいがある反面、言い訳が利かない。
*オフィスサービス(コピー・FAX・文房具・清掃・出張手配等)も自分で・・・。
*仕事の出来映えを厳しく見てくれる上司同僚が居ない不安。
*新技術やセミナーについての情報が得にくい。
*営業から納品・請求まで自分で実行。オフィスを留守にすることが多くなる。
*出先での仕事場に不自由。モバイルワークにも限界。
*ついつい締切り直前集中処理型になりがちで、身体に無理を強いる。
*HO勤務では日中は家族の煩わしさが出る事もあり、ついつい深夜営業になりがち。
*福利厚生が会社時代に比べ圧倒的に不利。
*名刺の重みが不足。ツケも利きにくい。
4.これからは個の時代、自己責任でライフスタイルの変革を!
人生80年、現役を全力で走り続け定年で力尽きるより、80歳まで余力を残しましょう。
大企業や出世だけが人生ではありません。余力を残してのSOHOは、器に合わせた
生活と仕事ぶり、不況にも耐えられます。
幸い、まだ不況が続いています。個人の人生の局面打開には、SOHOが面白い。