公益財団法人 相模原市産業振興財団

こんなライフスタイルを望む人に テレワーク・SOHOがお勧め

財団法人九州ヒューマンメディア創造センター
主任研究員 (北九州テレワークセンター担当)
荒木 幸生 2001.10.19

つい30〜40年前までは、人生たかが50年と言われていた。“50年”は“50歳”という事ではなく50歳代を指し、還暦前後の意味でもあった。

“長生きしたい”という全人類の願望を、神は我々日本人を殊の外依怙贔屓し、瞬く間に世界トップクラスの長寿の国にした給うた。人生なんと80年になってしまったのだ。

かつては勤め人も、自営者も、農林漁業者も、50代半ばまで働き、数年間のご隠居生活を楽しんだ後に惜しまれてこの世を去っていた。働く事と生きる事は殆ど同じ事、同じ期間を意味していたのだ。つまりワークスタイルとライフスタイルはほぼ同じだった。

 人生80年の現在、60歳で現役を退いて、あと20年も生きなければならない。然も体力・知力・経済力・精力が減退する中で・・・。大方の人は、癌とボケと先細りの年金しか心配していないが、癌にもならずボケもせず年金が入っても、この20年間をどう生きるかは極めて大事な事である。80歳までの生き方(ライフスタイル)をどうするかを考えながら、60歳までの働き方(ワークスタイル)を考えなければならない、と考える人は意外と少ない。

ところで、私は自分のライフスタイルを大切にしたい人に、テレワークとSOHOが最適と思う。そこでライフスタイルとテレワーク・SOHOとの適合性を整理してみた。

適合度合
ライフスタイル像 テレワーク適合 SOHO適合
※人に迷惑を掛けない限り自由に生きたい ◎ ◎
※家族は家族、自分は自分の生活ができる ◎ ◎
※出世ばかりが人生ではない ◎ ○
※出世・昇進レースの2番手以内に居たい × ○
※名刺・肩書きに未練はない ◎ ◎
※好きな時に起きて好きな時に寝たい ◎ ○
※自分の力でひと稼ぎしたい 〜 ◎
※自分の力や経験を人の為に使いたい ○ 〜
※健康を重視した生活にしたい ○ ×
※自分の能力に応じた生活をしたい ◎ ○
※老後は蓄えと年金で趣味の人生 × ×

 まだまだあろうが、上記の適合欄で◎が二つ以上、◎○計四つ以上の人は、適合性があると思える。できるだけ早い機会にテレワークに移行するか、SOHOへの転職をお勧めする。現在勤めている会社が、テレワークを認めてくれない場合は、思いきってSOHOに転じてみてはどうか。

 これらの判断は、できれば40歳代前半に、遅くとも55歳までに決めたいものだ。
ついでに、ワークスタイルとテレワーク・SOHOとの適合性も整理した。

適合度合
ワークスタイル像 テレワーク適合 SOHO適合
※人に迷惑をかけない限り自分流で働きたい ◎ ○
※仕事より大切な事が沢山ある ◎ 〜
※出世争いに興味が無い ◎ ○
※今の職位に不満だが納得 ◎ ○
※朝に弱く遅刻したいと思うことが多い ◎ ◎
※自分の仕事には責任持つが他人は知らない ○ ◎
※人事考課を余り気にしない ◎ ○
※仕事振りを見て欲しい × ○
※自分流に働ければ年収は下がっても良い ○ ○
※自分の能力を会社だけに使いたくない ○ ◎
※上司よりも社外の仲間を大切にしたい ○ ◎
※仕事を管理で縛るのは良くない ◎ ◎
※会社は組織・システム・制度が大切 × ×
※会社は人、人を活かせない会社に明日は無い ◎ ◎

まだまだあるが、これで充分だろう。
◎が四つ以上、◎○計六つ以上の人は適合性があると思われる。出来るだけ早い機会での挑戦を期待する。

 ライフスタイル分と合わせても適合性が高い人は、ライフスタイルとワークスタイルがテレワーク・SOHO向きだと言う事は言うまでも無い。きっと良い20年を過ごせる事だろう。

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